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会社から送迎の運転を頼まれた、知り合いの代わりに運転を頼まれた、そんな時に「これって二種免許が必要なのかな」と手が止まる方も多いはずです。
結論から言うと、二種免許が必要になるのは、旅客自動車でお客さんを運ぶ目的で運転する時と、運転代行でお客さんの車を運転する時です。
この記事を読むと、二種免許が必要になる条件の分け方と、送迎・回送・社用車・代行・ライドシェアなど場面ごとの判定が分かります。
二種免許が必要になるのはどんな時?
道路交通法第86条では、旅客自動車運送事業に使う車(旅客自動車)を、その事業のお客さんを運ぶ目的で運転する時に、第二種免許が必要だと決めています。運転代行で普通自動車を運転する時も、普通二種免許が必要です。
『人を乗せたら全部二種が要るの?』と不安になりますよね。
実は、家族や同僚を乗せるだけなら二種は要りません。条文の言葉を分けて読むと、二種が要るかどうかは3つの点で決まっているんです。
| 確かめる点 | 条文の言葉 | 例 |
|---|---|---|
| 1. どんな車か | 旅客自動車運送事業の用に供される自動車(旅客自動車) | タクシー会社やバス会社が事業に使う車 |
| 2. 何のために運転するか | 旅客自動車運送事業に係る旅客を運送する目的 | 運賃をもらうお客さんを乗せて走る |
| 3. どの大きさの車か | 大型・中型(準中型を含む)・普通・大型特殊 | 区分ごとに大型二種・中型二種・普通二種・大型特殊二種 |
1と2の両方に当てはまる時に、3の区分に合った二種が必要になります。第一種免許では、こうした運転はできません(第85条第11項)。
上の種類の二種は下の旅客自動車もカバーする
車の大きさと二種の種類の関係も、ここで押さえておきましょう。
道路交通法第86条第2項では、大型二種を受けた人は旅客自動車である中型・準中型・普通自動車でも、中型二種を受けた人は旅客自動車である普通自動車でも、お客さんを運べると決めています。
| 持っている二種 | お客さんを運べる旅客自動車 |
|---|---|
| 大型二種 | 大型・中型・準中型・普通 |
| 中型二種 | 中型・準中型・普通 |
| 普通二種 | 普通 |
例えば、大型二種を持っている人なら、タクシーのような普通自動車でお客さんを運ぶ時に普通二種を別に取る必要はありません。
運転代行は別の決まりで二種が必要
もう一つの柱が運転代行です。
代行運転の対象になっている普通自動車(代行運転普通自動車)を運転するには、普通二種免許が必要です(道路交通法第86条第5項)。大型・中型・準中型・普通の第一種免許では運転できません(第85条第12項)。
大型二種や中型二種を持っている人は、その免許で代行運転普通自動車を運転できます(第86条第6項)。仮免許では運転できません(第87条第5項)。
牽引でお客さんを運ぶ時も二種
牽引自動車で旅客用の車両を引いてお客さんを運ぶ時は、牽引自動車の免許に加えて牽引第二種免許が必要です(第86条第3項)。
『そんな場面ある?』と思うかもしれませんが、条文ではこうした運転も二種の対象として決められています。
場面別に見る|二種免許が要る運転・要らない運転
同じように人を乗せる運転でも、運賃をもらうお客さんを事業の車で運ぶかどうかで、二種が要るかが変わります。迷いやすい場面を判定表にしました。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
『うちの会社の送迎はどっち?』という時に、自分の場面に近い行を探してみてください。
| 場面 | 二種免許 | 考え方 |
|---|---|---|
| タクシーでお客さんを乗せて走る | 要る(普通二種) | 旅客自動車でお客さんを運ぶ目的の運転 |
| 路線バス・観光バスでお客さんを運ぶ | 要る(大型二種など) | 同上。車の大きさで種類が決まる |
| 介護タクシーで利用者を運ぶ | 要る(普通二種) | 福祉輸送も旅客自動車運送事業にあたる |
| 運転代行でお客さんの車を運転する | 要る(普通二種) | 代行運転普通自動車の運転(第86条第5項) |
| 会社の白ナンバーの車で社員を運ぶ | 要らない | 旅客自動車運送事業の車ではない。車の大きさに合った一種は要る |
| 家族や友人を自分の車で無料で送る | 要らない | 事業ではなく、運賃ももらわない |
| お客さんを乗せずにタクシーを営業所へ戻す回送 | 条文の要件には当たらない | お客さんを運ぶ目的ではない。ただし扱いは会社の決まりも確かめる |
| 決められた条件で日本版ライドシェアを運転する | 要らない場合がある | 第一種免許の人が条件付きで運転できる制度 |
| 許可なく自家用車で運賃をもらって人を運ぶ | 二種があっても不可 | いわゆる白タクで、道路運送法違反 |

送迎の運転は「誰の事業か」で変わる
ホテルやスクール、施設の送迎は、迷いやすい場面の代表です。
例えば、施設が自分の白ナンバーの車で利用者を送り迎えする場合と、バス会社が緑ナンバーの車で運行を請け負う場合とでは、必要な免許の考え方が違います。
『送迎ドライバーの求人に「二種歓迎」と書いてあったけど、要るの?』という時は、運転する車がどちらに当たるかを面接で聞いてみてください。くわしくは送迎ドライバーに二種免許は要る?で紹介しています。
- 運転する車は会社の自家用(白ナンバー)か、事業用(緑ナンバー)か
- 乗せるのは社員・利用者か、運賃をもらうお客さんか
- 運転する車の乗車定員はいくつか
- 二種免許がない場合、取得の支援があるか
例えば「送迎車の乗車定員は14人で、施設の白ナンバーです」と答えが返ってきたら、二種は要らず、中型免許などの一種が要る、という見当がつきます。
『聞きにくいな』と感じるかもしれませんが、必要な免許の確認は働く側として自然な質問です。遠慮せずに聞いてみてください。
介護タクシーは二種に加えて研修や資格も
介護タクシーは、正式には「一般乗用旅客自動車運送事業(福祉輸送事業限定)」という事業の車です。
旅客自動車運送事業なので、お客さんを運ぶ運転には普通二種が必要になります。厚生労働省のjob tagでも、介護タクシー運転手の入職に必須の資格として普通自動車二種免許が挙げられています。
さらに国土交通省東北運輸局の手引きでは、セダン型などの一般車両で運ぶ乗務者は、ケア輸送サービス従事者研修の修了者や介護福祉士、訪問介護員などに限るとされています。
『二種だけ取れば始められる?』と思った方は、研修や資格の条件も一緒に確かめてみてください。くわしくは介護タクシーに必要な免許で紹介しています。
回送は「お客さんを運ぶ目的」かどうか
タクシーやバスの回送は、お客さんを乗せずに車を動かす運転です。
条文の言葉は「旅客を運送する目的で運転しようとする者」なので、回送そのものはこの目的に当たらない、と読めます。
ただ、回送の運転を誰に任せるかは会社の決まりで決まっていることが多いです。『回送だけなら一種でいい?』と思った時は、自己判断せずに会社に確かめておきましょう。
「お金をもらわなければ大丈夫」と考えて、事業の車でお客さんを運んでしまうケースです。二種が要るかどうかは、運賃の有無だけでなく、その車が事業に使われているか、お客さんを運ぶ目的かで決まります。
タクシーは二種に加えて運転者の登録も
タクシーの場合、二種免許があれば誰でもすぐ乗務できるわけではありません。
タクシー業務適正化特別措置法の適用地域では、タクシー会社は運転者登録原簿に登録を受けた人以外を乗務させてはならないと決められています(第3条)。国土交通省中国運輸局の案内では、適用地域は平成27年10月1日から全国60地域に広がっています。
東京の特別区と武蔵野市・三鷹市でタクシー運転者になるには、東京タクシーセンターの「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」に合格する必要があります。地理の科目は令和6年に廃止されましたが、法令・安全・接遇の試験は残っていて、筆記45問で36問以上が合格です。
白ナンバーと緑ナンバーの違い
国土交通省の説明では、バスやタクシーなど許可を受けた自動車のナンバープレートは緑色で、許可を受けていない自家用車は白色です。
『ナンバーの色を見れば、二種が要るか分かる?』という疑問はとても多いです。
緑ナンバーは、バスやタクシーなど許可を受けた事業用の車の目印です。一方、白ナンバーは自家用の車で、許可を受けずに運賃をもらって人を運ぶことはできません。
| ナンバーの色 | どんな車か | 運賃をもらって人を運ぶこと |
|---|---|---|
| 緑 | 許可を受けたバス・タクシーなど | できる(運転には二種が要る) |
| 白 | 許可を受けていない自家用車 | できない(白タク行為にあたる) |
国土交通省は、自家用車で有償の旅客運送をする「白タク」を、道路運送法上の許可・登録を受けずに行う重大な違法行為としています。
近畿運輸局も、国土交通大臣の許可を受けずに金銭を受け取って自家用車で旅客を運送するタクシー類似行為は、道路運送法違反だと案内しています。
二種を持っていても白タクはできない
ここは誤解されやすいところです。
二種免許は、お客さんを運ぶ「運転」をするための免許で、運送の「事業」をしてよいという許可ではありません。
例えば、普通二種を持っている人が、自分の白ナンバーの車で知人から運賃をもらって送る、という運転は二種があってもできない、ということになります。
- その車は、どの会社・団体の車か
- 運賃や料金を受け取る運転か
- 運ぶのは社員や家族か、お客さんか
- 車の乗車定員はいくつか
一種と二種の違いを運ぶものの面から整理した記事は一種免許と二種免許の違いです。
運転代行に二種免許が必要な理由
運転代行は、お酒を飲んだお客さんに代わってお客さんの車を運転し、お客さんを乗せて送る仕事です。お客さんを乗せて運転するので、普通二種免許が必要と決められています。
『お客さんの車は白ナンバーなのに、なぜ二種?』と思いますよね。
自動車運転代行業法第2条では、運転代行業を、主に夜間に飲食店でお酒を飲んだ人に代わって車を運転し、本人などを乗せて、随伴用の車がついていく営業と決めています。
そして道路交通法第86条第5項で、代行運転の対象の普通自動車を運転するには普通二種免許が必要だと決めています。ナンバーの色ではなく、代行運転という運転の中身で決まっているんです。
| 立場 | 必要な免許 | 根拠 |
|---|---|---|
| お客さんの車を運転する人 | 普通二種(大型二種・中型二種でも可) | 道路交通法第86条第5項・第6項 |
| 一種免許だけの人 | お客さんの車の運転はできない | 道路交通法第85条第12項 |
| 仮免許の人 | 運転できない | 道路交通法第87条第5項 |
代行業法の条文自体には「第二種」という言葉は出てきません。二種が要ることは、道路交通法の側で決まっています。
例えば、普通免許だけを持っている人が代行会社の随伴車のドライバーとして働く場合と、お客さんの車を運転する場合とでは、求められる免許が違ってきます。応募する前に、どちらの役割の募集かを確かめておきましょう。
くわしくは運転代行に二種免許は必要?で紹介しています。
一種免許でお客さんを運べる制度もある
日本版ライドシェアと公共ライドシェアには、第一種免許の人でも条件を満たせば運転できる仕組みがあります。条件は資料の日付時点のものなので、最新の案内で確かめましょう。
『二種がないとお客さんは乗せられない』と思っていた方には、少し意外かもしれません。
日本版ライドシェア(自家用車活用事業)は、タクシーが足りない地域・時期・時間帯に限って、タクシー会社の管理のもとで一般のドライバーが自家用車で有償運送する制度です。令和6年3月に始まりました。
| 制度 | 運送の主体 | 運転する人の条件(資料の日付時点) |
|---|---|---|
| タクシー | タクシー事業者 | 第二種免許を持ち、運転者の登録を受け、会社の指導教育を受けた人 |
| 日本版ライドシェア | タクシー事業者 | 第一種免許で選任前2年間無事故・免許停止なし、または第二種免許。あわせて会社の指導教育 |
| 公共ライドシェア | 市町村・NPOなど | 第一種免許で大臣認定講習を受けた人、または第二種免許 |
この表は、国土交通省東北運輸局の資料(令和6年11月21日)と、国土交通省のハンドブック(令和6年10月)をもとにしています。
例えば、二種免許はないけれど、空いた時間に地元でお客さんを運ぶ仕事をしてみたい場合は、日本版ライドシェアの募集を調べてみるのも一つの方法です。
くわしくは日本版ライドシェアと二種免許で紹介しています。

二種が要る仕事を目指すなら
タクシーやバス、運転代行、介護タクシーで働きたいなら、二種免許が必要になります。
厚生労働省のjob tagには、タクシー会社について「第一種免許の保有者を採用し、第二種免許取得のため養成訓練を行う会社もある」と書かれています。
ひとりで求人を探すか、相談先を使うか、迷う方もいますよね。取得支援の条件は会社ごとに違うので、求人票と面接で確かめる項目になります。比べ方はドライバー転職サービスの選び方で紹介しています。
二種免許ドットコム
二種免許を活かした転職を考えている方へ
タクシーやバスの会社には、入社後に二種免許の取得費用を負担する制度を設けているところもあります。会社ごとに条件が違うので、ひとりで求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー向けの転職支援サービスで相談できることをまとめました。
無料ドライバー転職サービスの選び方を見る受験資格・試験・手数料は法令や都道府県で変わることがあります。最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。
よくある相談
二種免許が要るかどうかの相談では、無償なら要らないのか、商売でなければ大きな車を一種で運転できるのか、という2つの迷いが多く見られます。
二種免許が要るかどうかについて、よく寄せられる相談を内容をまとめた形で紹介します。
無償で運転を代わってあげるなら、二種は要らない?
知人がお酒を飲んだので、無償で運転を代わってあげる場合も二種が要るのか、という相談です。
普通二種が要るのは、自動車運転代行業法でいう代行運転の対象の車を運転する時です。代行業は営業として行うものなので、知人の車を営業ではなく無償で運転する場合は、代行業とは別の話になります。
ただし、個別の事情で判断が変わることもあるので、迷う時は住んでいる都道府県の警察に相談してみてください。
商売にしなければ、大型免許だけでバスを運転できる?
『運賃を取らないなら、大型一種でバスを運転していい?』という相談です。
二種が要るのは、旅客自動車でお客さんを運ぶ目的の運転です。例えば会社が自分の白ナンバーのバスで社員を運ぶ場合は、車の大きさに合った大型免許などの一種で運転することになります。
一方で、バス会社の緑ナンバーのバスでお客さんを運ぶなら、運賃の有無にかかわらず事業の運転なので大型二種が必要です。
中型二種は要るけど大型二種までは要らない車は?
タクシーは普通二種、バスは大型二種と聞くけれど、中型二種の出番はどんな車か、という相談です。
中型自動車は、乗車定員11人以上29人以下などの車です(施行規則第2条)。マイクロバスのような車でお客さんを運ぶ時に中型二種が使われます。境目はマイクロバスの運転に必要な免許で紹介しています。
よくある質問
二種免許が必要なのはどんな時ですか?
旅客自動車運送事業に使う車で、お客さんを運ぶ目的で運転する時です。運転代行でお客さんの普通自動車を運転する時も、普通二種免許が必要です。
会社の送迎バスを運転するのに二種免許は要りますか?
会社が自分の白ナンバーの車で社員を運ぶ場合は、車の大きさに合った第一種免許で運転します。バス会社などの事業の車でお客さんを運ぶ場合は二種が必要です。
二種免許を持っていれば、自分の車でお客さんを乗せて運賃をもらえますか?
できません。許可を受けずに自家用車で運賃をもらって人を運ぶことは、いわゆる白タク行為で道路運送法違反です。
ナンバープレートの色で二種免許が要るか分かりますか?
緑ナンバーは許可を受けたバスやタクシーなどの目印なので目安にはなります。ただし二種が要るかは、お客さんを運ぶ目的の運転かどうかとあわせて考えます。
日本版ライドシェアは二種免許がなくても運転できますか?
国土交通省東北運輸局の資料(令和6年11月21日)では、第一種免許で選任前2年間の無事故などの条件を満たし、会社の指導教育を受けた人も運転できるとされています。
まとめ
- 二種が要るのは、旅客自動車でお客さんを運ぶ目的で運転する時と運転代行の時
- 会社の白ナンバーの車で社員を運ぶ運転や、家族を無料で送る運転は一種でできる
- 緑ナンバーは許可を受けた事業用の車、白ナンバーは自家用車の目印
- 二種を持っていても、許可なく自家用車で運賃をもらう運転はできない
- 日本版ライドシェアなど、条件付きで一種免許の人が運転できる制度もある





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