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タクシー運転手になりたいけれど二種免許は持っていない、そんな時に『養成って何をするんだろう』と気になっている方も多いはずです。
結論から言うと、タクシー会社の養成制度は、二種免許を持っていない人を採用して、入社後に普通二種を取らせる仕組みです。条件は会社ごとに違うので、入社前の確認がとても大事なんです。
この記事を読むと、養成で二種免許を取る流れと、求人票と面接で確かめておく項目が分かります。
二種免許なしでもタクシー会社に入れる?
入れる会社があります。厚生労働省のjob tagには、タクシー会社について「第一種免許の保有者を採用し、第二種免許取得のため養成訓練を行う会社もある」と書かれています。これが、いわゆる養成制度です。
『二種がないと、応募しても相手にされないのでは?』と心配になりますよね。
実は、タクシー業界では二種を持っていない人を採用する仕組みが珍しくありません。国土交通省の中間とりまとめ(令和6年5月)でも、第二種免許の取得費用に係る支援が始まったことなどにより、タクシー運転者数が令和5年3月末から令和6年4月末の約1年間で約3,400人増えたと書かれています。
養成制度でできること・できないこと
養成制度は便利な仕組みですが、何でも会社が代わりにしてくれるわけではありません。
| 項目 | 養成制度での扱い | 自分で用意すること |
|---|---|---|
| 二種の受験資格 | なし(法律で決まっている) | 原則21歳以上・普通免許など通算3年以上 |
| 教習所の手配 | 通う教習所は会社に確かめる | 教習の日程に合わせて通う |
| 取得の費用 | 会社が負担・立て替えすることがある | 負担の範囲を会社に確かめる |
| 学科と技能の勉強 | 教習所で教わる | 学科試験に向けた自習 |
受験資格は、会社の制度では変えられません。普通二種は原則21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です(道路交通法第96条第5項)。
受験資格特例教習を修了すると、19歳以上・通算1年以上で受けられる特例もあります(警察庁・令和4年5月13日から)。くわしくは受験資格特例教習とはで紹介しています。
二種免許の全体像は二種免許とはで確かめてみてください。
バス会社にも似た仕組みがある
入社後に二種を取る仕組みは、タクシーだけのものではありません。
日本バス協会は、普通免許等を取って3年以上の人を採用して、一定の条件のもとで大型二種を取らせる制度を設けているバス会社がある、と案内しています。job tagの路線バス運転士の説明にも、入社後に免許を取る条件で採用されることがあると書かれています。
『タクシーかバスか、まだ決めきれない』という方は、バス運転手になるには大型二種もあわせて読んでみてください。
養成入社の流れ|応募から乗務までの6段階
養成制度で入社する場合、多くは「応募」「入社」「教習」「試験」「研修」「乗務」の順に進みます。どの段階で何をするかを先に知っておくと、入社後に慌てにくくなります。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
養成入社の一般的な流れを、法令と国の案内をもとに表にしました。会社によって順番や中身が違うこともあるので、目安として見てみてください。
| 段階 | やること | この段階で確かめたいこと |
|---|---|---|
| 1. 応募 | 取得支援のある求人を探して応募する | 自分が受験資格を満たしているか |
| 2. 入社 | 面接・内定を経て入社する | 支援の範囲と在籍の条件を書面で確かめたか |
| 3. 教習 | 指定自動車教習所で技能と学科の教習を受ける | 教習中の給与や勤務の扱い |
| 4. 試験 | 卒業検定に合格し、試験場で学科試験を受ける | 試験の日程と、不合格だった時の扱い |
| 5. 研修 | 運転者登録を受け、会社の研修を受ける | 研修の中身と期間 |
| 6. 乗務 | お客さんを乗せて営業を始める | 勤務の形と給与の決まり |

1. 応募の前に受験資格を数えておく
応募の前に、自分が二種の受験資格を満たしているかを数えておきましょう。
数えるのは、普通免許などを受けていた期間の合計です。免許の停止を受けていた期間は除きます(道路交通法第96条第5項)。
例えば、18歳で普通免許を取って今22歳なら、停止がなければ期間は4年ほどで、年齢と合わせて受験資格を満たしています。一方で、21歳になったばかりで免許を取って2年の場合は、通算3年に届かないので、特例教習を使うか、3年になるのを待つことになります。
『ペーパードライバーの期間も数えていいの?』と気になる方は、ペーパードライバーでも二種免許は取れる?で確かめてみてください。
2. 入社の前に条件を書面で受け取る
内定が出たら、入社の前に支援の条件を書面で受け取っておくと安心です。
養成制度は、会社が費用を出す代わりに、一定期間働くことを条件にしている場合があります。それ自体は珍しいことではありませんが、知らずに入社すると後で困ることも。
3. 教習の時限は持っている免許で変わる
指定自動車教習所で普通二種を取る場合、技能教習の時限は持っている免許で変わります(施行規則 別表第四・1時限50分)。
| 持っている免許 | 普通二種(MT)の技能教習 | AT普通二種の技能教習 | 学科教習 |
|---|---|---|---|
| 普通免許(MT) | 12時限 | 12時限 | 17時限 |
| AT限定の普通免許 | 16時限 | 12時限 | 17時限 |
時限数は最低限の数で、技能の身につき方によって延びることがあります。教習は9月以内に終える決まりです(施行規則第33条第5項)。
『どのくらいで取れるの?』という方は、二種免許の教習時間と最短日数も参考にしてみてください。
教習でつまずきやすい所
普通二種の教習では、一種にはなかった課題が出てきます。
技能試験の普通二種の課題には、人の乗降のための停車及び発進、鋭角コースの走行、方向変換又は縦列駐車などがあります(施行規則第24条)。お客さんを乗せることを前提に、乗り心地のよい止まり方や発進が見られるんです。
学科教習では、応急救護処置の教習を6時限受けます(別表第四の備考。第一種は3時限)。
『一種と同じ感覚でいいかな』と思っていると、戸惑うこともあります。どこが難しいかは二種免許は難しい?で紹介しています。
4. 試験は卒業検定と試験場の学科
教習を終えると、教習所で卒業検定を受けます。卒業検定は教習を終えた日から3月以内に行い、合格の基準は技能試験の例に準じて80パーセント以上です(施行規則第34条)。
卒業すると、技能試験は免除になり、学科試験を試験場で受けます(道路交通法第97条の2・警視庁の案内)。学科試験は95問で90パーセント以上が合格です(大阪府警察の案内)。
警視庁(東京都)の場合、指定教習所を卒業した人の手数料は4,150円です(受験料1,800円、免許証交付料2,350円・令和7年3月24日以降)。
5. 研修と運転者登録
二種を取った後は、すぐに一人でお客さんを乗せるわけではありません。
タクシー業務適正化特別措置法の適用地域では、運転者登録を受けた人しか乗務できません(第3条)。東京の特別区と武蔵野市・三鷹市では、東京タクシーセンターの試験(法令・安全・接遇の筆記45問・36問以上で合格)にも合格する必要があります。
job tagでは、初めて乗務する人は研修を受け、最初の数日はベテランが同乗して接客などを教えると紹介されています。
6. 乗務を始める
研修を終えると、いよいよお客さんを乗せて営業を始めます。
入社から乗務までの順番は、普通二種の取り方の手順と重なる所も多いです。教習所での流れは普通二種免許の取得方法と条件でくわしく紹介しています。
求人票と面接で確かめる項目
養成制度の条件は会社ごとに違います。負担の範囲、在籍の決まり、教習中の給与、辞めた時の扱いの4つは、入社前に求人票と面接で確かめておきましょう。
『会社負担と書いてあるから大丈夫』と思ってしまいがちですよね。
ただ、求人票の言葉は短いので、同じ「会社負担」でも中身が会社によって違うことがあるんです。言葉ごとに聞くことを決めておくと、面接で慌てずにすみます。
| 求人票の書き方の例 | 面接で聞いておきたいこと |
|---|---|
| 二種免許取得費用 全額会社負担 | 教習所の料金・試験場の手数料・追加の教習まで含むか |
| 二種免許取得支援あり | 会社の負担か、立て替えて後で返す形か |
| 養成期間中も給与支給 | 教習中の給与はいくらで、勤務の扱いはどうなるか |
| 一定期間の勤務が条件 | 何年の勤務が条件か、途中で辞めた時に費用を返す決まりがあるか |
| 未経験歓迎 | 入社後の研修は何日で、誰が教えてくれるか |

- 会社が負担する範囲を書面で確かめた
- 在籍の条件と、途中で辞めた時の扱いを確かめた
- 教習中の給与と勤務の扱いを確かめた
- 不合格だった時の追加の教習や再受験の扱いを確かめた
- 乗務を始めた後の勤務の形を確かめた
教習中の働き方も聞いておく
養成期間中は、教習所に通う日と会社に出る日が混ざることがあります。
例えば、教習のない日に会社で研修や営業所の仕事をするのか、教習に専念するのかで、毎日の過ごし方はかなり変わります。家族の予定や今の仕事の退職日とも関わるので、入社前に聞いておきましょう。
『いつから給料が出るのか』も、生活に直結する大事な点です。遠慮せずに確かめてみてください。
聞きにくい時の言い方
『お金の話を聞くと、やる気がないと思われそう』と感じる方もいますよね。
ただ、条件の確認は働く側として自然なことです。例えば「教習費用を会社に負担していただく場合、何年の勤務が条件になりますか」と聞けば、角は立ちにくいはずです。
答えは口頭だけでなく、雇用契約書や誓約書などの書面でも確かめておきましょう。
支援の条件を口頭で聞いただけで入社し、途中で辞める時に費用の扱いで揉めてしまうケースです。条件は書面で確かめ、分からない所はその場で聞いておくと安心です。
養成制度全体の仕組みは二種免許を無料・会社負担で取る方法でくわしく紹介しています。
先に自分で取るか、養成で取るか
どちらが正解ということはありません。自分の貯金や時間、働きたい会社が決まっているかで選び方が変わります。
『先に二種を取ってから応募したほうが有利?』という疑問はとても多いです。
それぞれのよい所と気をつけたい所を比べてみてください。
- 取得の費用を会社が負担することがある
- 免許を取る前から会社に所属できる
- 入社から乗務までの流れを会社と相談できる
- 応募の時点で二種がなくてもよい
- 費用と教習の時間を自分で用意する
- 在籍の条件に縛られずに会社を選べる
- 入社してすぐ研修に進める
- 会社を移る時の制約が少ない
こんな人は養成制度が合いやすい
自分に当てはまるものが多いほうを、目安にしてみてください。
| こんな状況なら | 合いやすい取り方 |
|---|---|
| 今の仕事を辞めてすぐ収入がほしい | 養成制度(教習中の給与を確かめる) |
| 教習所の費用を自分で用意するのが難しい | 養成制度 |
| 働きたい会社がまだ決まっていない | 先に自分で取る |
| いずれ別の会社に移る可能性がある | 先に自分で取る |
| タクシー以外の仕事も考えている | 先に自分で取る |
例えば、今の仕事を続けながら週末に教習所に通える場合は、先に自分で取っておくと会社を比べる時間を持てます。反対に、すぐに転職して収入を途切れさせたくない場合は、養成制度のほうが動きやすいはずです。

給付金を使って自分で取る方法もある
先に自分で取る場合、国の教育訓練給付を使える講座もあります。
厚生労働省の指定講座数の表(令和8年10月1日時点)では、普通自動車第二種免許の特定一般教育訓練の講座が49講座あります。受給には雇用保険の加入期間などの要件があるので、くわしくは二種免許に使える給付金で確かめてみてください。
ひとりで探すか、相談先を使うか
取得支援のある会社は、会社の採用ページ、ハローワーク、ドライバー向けの転職サービスで探せます。どれも正当な方法なので、自分の探しやすさで選んでみてください。
『何社も条件を比べるのは大変そう』と感じる方も多いはずです。
会社の採用ページに直接応募すれば、その会社の条件をじっくり確かめられます。ハローワークでは、地域の求人をまとめて見られます。
| 探し方 | できること | 向いている人 |
|---|---|---|
| 会社の採用ページ | その会社の条件を直接確かめて応募できる | 働きたい会社が決まっている人 |
| ハローワーク | 地域の求人をまとめて見て、窓口で相談できる | 地元で探したい人 |
| ドライバー向けの転職サービス | 取得支援のある求人を探し、日程調整などを任せられる場合がある | 何社か比べたい人、時間が取りにくい人 |
例えば、今の仕事を続けながら転職先を探す場合は、面接の日程を合わせるだけでも手間がかかります。そんな時は、相談先に日程の調整を任せる方法も考えてみてください。
ドライバー向けの転職サービスに相談すると、取得支援のある求人を探したり、面接の日程を調整してもらったりできる場合があります。相談先ごとにできることは、ドライバー転職サービスの選び方で比べています。
二種免許ドットコム
二種免許を活かした転職を考えている方へ
タクシーやバスの会社には、入社後に二種免許の取得費用を負担する制度を設けているところもあります。会社ごとに条件が違うので、ひとりで求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー向けの転職支援サービスで相談できることをまとめました。
無料ドライバー転職サービスの選び方を見る受験資格・試験・手数料は法令や都道府県で変わることがあります。最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。
よくある相談
養成制度についての相談では、先に二種を取ったほうが有利か、期間内に辞めたらどうなるか、養成で取った後に別の会社へ移れるか、という迷いが多く見られます。
タクシー会社の養成制度について、よく寄せられる相談を内容をまとめた形で紹介します。
先に二種を取ってから応募したほうが有利?
『会社負担でも、先に取っておいたほうが採用されやすい?』という相談です。
先に取っておくと、入社してすぐ研修に進めるので、会社によっては歓迎されることがあります。一方で、養成制度のある会社は、二種を持っていない人の採用を前提にしています。
どちらが有利かは会社によって違うので、気になる会社には面接で聞いてみてください。
決められた期間より前に辞めたらどうなる?
『2年働く約束で取ったけれど、途中で辞めたら費用を返す?』という相談もよくあります。
扱いは会社ごとの契約で決まっていて、ひとくくりには言えません。だからこそ、入社前に書面で確かめておくことが大事なんです。
すでに入社している場合は、雇用契約書や誓約書を読み返して、分からない所は会社に確かめてみてください。
養成で取った後に別の会社へ移れる?
『中小の会社で養成を受けて、後から大手に移りたい』という相談です。
二種免許は個人の免許なので、取った後に会社を移っても免許そのものは使えます。ただ、在籍の条件がある場合は、移る時に費用の扱いが問題になることがあります。
将来移る可能性があるなら、その点も含めて入社前に条件を確かめておきましょう。
例えば「在籍の条件を満たす前に移る場合、費用はどう扱われますか」と、移る前提ではなく仕組みとして聞くと、面接でも聞きやすくなります。
よくある質問
二種免許なしでもタクシー会社に入れますか?
入れる会社があります。第一種免許の保有者を採用し、入社後に二種取得のための養成訓練を行う会社があります(job tag)。
タクシー会社の養成制度では、費用はすべて会社が出してくれますか?
会社ごとに違います。教習所の料金・試験場の手数料・追加の教習まで含むか、立て替えか負担かを、求人票と面接で確かめてください。
養成制度でも受験資格は必要ですか?
必要です。普通二種は原則21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です。受験資格特例教習を修了すると19歳以上・通算1年以上で受けられます。
養成で二種を取ったら、すぐに乗務できますか?
運転者登録や会社の研修を受けてから乗務するのが一般的です。東京などの一部の地域では、タクシーセンターの試験の合格も必要です。
養成制度で取れる二種免許の種類は何ですか?
タクシーなら普通自動車のタクシーを運転するための普通二種が中心です。バス会社の制度では大型二種を取ることもあります。どの種類を取るかは会社に確かめてください。
まとめ
- 養成制度は、二種がない人を採用して入社後に二種を取らせる仕組み
- 流れは応募・入社・教習・試験・研修・乗務の6段階
- 受験資格は会社の制度では変えられないので先に確かめる
- 負担の範囲・在籍の条件・教習中の給与・辞めた時の扱いを書面で確かめる
- 費用を抑えたいなら養成、会社を自由に選びたいなら先に取る





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