タクシー運転手に二種免許は必要?取り方と入社までの流れ

タクシー運転手に必要な二種免許と、入社して乗務を始めるまでの流れを紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が警察庁・都道府県警察・国土交通省・厚生労働省などの公開情報を調べて独自に執筆しています。受験資格・試験・手数料・教習の内容は法令の改正や都道府県によって変わることがあるため、最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。

タクシー運転手に興味はあるけれど、『二種免許って先に取らないといけないの?』と迷っている方も多いはずです。

結論から言うと、タクシーでお客さんを乗せて走るには普通二種免許が必要です。ただ、二種を持っていなくても、入社後に会社の支援で取る道があります。

この記事を読むと、タクシーに二種免許が要る理由と取り方、二種を持っている場合と持っていない場合それぞれの入社までの順番が分かります。

目次

タクシー運転手に二種免許が必要な理由

先に結論

タクシーは、旅客自動車運送事業に使う車でお客さんを運ぶ仕事です。道路交通法第86条により、普通自動車のタクシーでお客さんを運ぶには普通二種免許が必要で、第一種免許ではこの運転はできません(第85条第11項)。

『普通免許で毎日運転しているのに、なぜ別の免許が要るの?』と感じますよね。

一種免許は自分や家族のための運転、二種免許はお客さんを乗せて運ぶ仕事の運転、と役割が分かれているんです。

厚生労働省のjob tagでも、タクシー運転手の就業について「学歴、経験は問われないが、普通第二種運転免許証が必要」と書かれています。

二種免許のほかに必要になること

実は、タクシーに乗るには二種免許だけでは足りません。

国土交通省東北運輸局の資料(令和6年11月21日)では、タクシー事業のドライバーの要件として次の3つが並んでいます。

要件中身
第二種免許普通自動車のタクシーなら普通二種(大型二種・中型二種でも可)
運転者登録運転者登録機関で登録を受けること
会社の指導教育乗務を始める前に会社から十分な指導教育を受けること

大型二種や中型二種を持っている人は、その免許で普通自動車のタクシーでもお客さんを運べます(道路交通法第86条第2項)。

一種と二種の違いは一種免許と二種免許の違いでくわしく紹介しています。

二種なしで運転できる日本版ライドシェアとは別物

『最近は二種がなくてもお客さんを乗せられると聞いた』という方もいますよね。

日本版ライドシェアは、タクシーが足りない地域・時期・時間帯に限って、タクシー会社の管理のもとで一般のドライバーが自家用車で運ぶ制度です。第一種免許で選任前2年間無事故などの条件を満たした人も運転できます(東北運輸局資料・令和6年11月21日)。

ただ、これはタクシー運転手として働くこととは別の仕組みです。くわしくは日本版ライドシェアと二種免許で紹介しています。

タクシーに必要な普通二種免許の取り方

教習所に通うか、試験場で直接受けるか

普通二種は、指定自動車教習所を卒業して試験場で学科試験を受ける方法と、試験場で直接受ける方法があります。どちらも、受験資格を満たしていることが前提です。

『二種免許って簡単に取れるの?』と気になる方も多いはずです。

一種より合格の基準が高く、お客さんを乗せることを前提にした課題もあります。ただ、何が求められるかを先に知っておけば、準備はしやすくなります。

受験資格は年齢と運転の経歴

普通二種の受験資格は、原則21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上です(道路交通法第96条第5項)。

受験資格特例教習を修了すると、19歳以上・通算1年以上で受けられる特例もあります(警察庁・令和4年5月13日から)。くわしくは二種免許の取得条件で確かめてみてください。

教習所に通う場合の時限

指定自動車教習所で普通二種を取る場合、技能教習の時限は持っている免許で変わります(施行規則 別表第四・1時限50分)。

持っている免許普通二種(MT)の技能教習AT普通二種の技能教習
普通免許(MT)12時限12時限
AT限定の普通免許16時限12時限
中型・大型免許12時限12時限

学科教習は、普通免許などを持っている人なら17時限です。時限数は最低限の数で、技能の身につき方によって延びることもあります。

教習所を卒業すると技能試験は免除になり、学科試験は試験場で受けます(警視庁の案内)。

試験の中身と合格基準

学科試験は95問で、90パーセント以上が合格です(大阪府警察の案内)。宮城県警察の案内では、文章問題90問とイラスト問題5問で、90点以上が合格とされています。

技能試験の普通二種の課題には、人の乗降のための停車及び発進、鋭角コースの走行、方向変換又は縦列駐車などがあります(施行規則第24条)。合格基準は80パーセント以上で、第一種の70パーセント以上より高く設定されています。

試験場で直接受ける場合の手数料

警視庁(東京都)の場合、普通二種を直接受験する手数料は9,800円です(受験料4,500円、試験車使用料2,950円、免許証交付料2,350円・令和7年3月24日以降)。

試験場で取った人は、合格後に旅客車講習(6時間)と応急救護処置講習(6時間)を受けます。警視庁の取得時講習の手数料は合わせて30,300円です。都道府県によって手数料は違うことがあるので、住んでいる都道府県の警察の案内で確かめてみてください。

教習所の料金は料金表で確かめる

教習所の料金は、教習所や時期によって違います。持っている免許で教習の時限が変わるので、費用も人によって変わります。入校前に、各教習所の料金表で確かめてみてください。

入社までの順番表|二種を持っている場合・持っていない場合

二種があるかないかで、最初の一歩が変わる

普通二種を持っている人は応募から始められます。持っていない人は、先に自分で取るか、入社後に会社の支援で取るかを選びます。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

自分がどちらに当たるかを見て、入社までの順番を確かめてみてください。この表は、法令と国の案内をもとに、この記事でまとめたものです。

順番普通二種を持っている場合普通二種を持っていない場合(入社後に取る)
1求人を探して応募する二種の受験資格を満たしているか確かめる
2面接で勤務の形や給与の決まりを確かめる取得支援のある求人を探して応募する
3入社する面接で支援の範囲と在籍の条件を確かめる
4地域によってはタクシーセンターの試験を受ける入社して教習を受け、二種免許を取る
5運転者登録を受け、会社の研修を受ける地域によってはタクシーセンターの試験を受ける
6乗務を始める運転者登録と研修を受けて乗務を始める
普通二種を持っている人と持っていない人で、タクシー会社に入社して乗務を始めるまでの順番を左右に並べて比べた図解

二種を持っている人は会社選びに時間を使える

普通二種を持っている人は、応募から始められるので、会社選びに時間をかけられます。

例えば、以前に二種を取っていて、ブランクを経てタクシー会社への転職を考えている場合は、勤務の形や研修の中身を何社か比べてみると選びやすくなります。

二種を持っていない人は「先に取る」か「入社後に取る」か

二種を持っていない人には、2つの道があります。

入社後に会社の支援で取る
  • 取得費用の負担を抑えやすい
  • 入社から乗務までの流れを会社が案内してくれる
  • 教習の日程を会社と相談しながら進められる
先に自分で取る
  • 費用と時間を自分で用意する必要がある
  • 会社の条件に縛られずに会社を選べる
  • 入社してすぐ研修に進める

『会社に費用を出してもらうと、辞めにくくなるのでは?』と心配になりますよね。

そう感じるのは自然です。支援の条件は会社ごとに違うので、在籍の決まりや辞めた時の扱いを面接で確かめておきましょう。養成制度の流れは二種免許なしでタクシー会社に入るでくわしく紹介しています。

例えばこんな場面で考える

普通免許を取って4年目で、今の仕事を辞めてタクシー会社へ転職したい場合を考えてみます。

受験資格の「通算3年以上」は満たしているので、先に教習所で取ることも、入社後に取ることもできます。貯金や生活費に余裕があまりないなら、入社後に会社の支援で取る道を中心に探すと動きやすいはずです。

反対に、働きたい会社がまだ決まっていない場合は、先に取っておくと会社を選ぶ自由が広がります。

タクシー運転者の登録と地域の試験

二種に加えて、登録や地域の試験がある

タクシー業務適正化特別措置法の適用地域では、運転者登録を受けた人しかタクシーに乗務できません。東京などの一部の地域では、タクシーセンターの試験に合格することも必要です。

『二種を取ったら、すぐお客さんを乗せられる?』と思う方も多いですよね。

実は、二種のほかにも、乗務までに通る手続きがあるんです。

運転者登録は全国60地域に広がっている

タクシー業務適正化特別措置法第3条では、タクシー会社は登録を受けた運転者以外を乗務させてはならないと決めています。登録の申請書には、持っている第二種免許の種類を書きます(第5条)。

国土交通省中国運輸局の案内では、この法律の適用地域は平成27年10月1日から全国60地域に広がっています。法人タクシーでは、車内に「運転者証」を表示することも義務です。

東京などではタクシーセンターの試験もある

東京の特別区と武蔵野市・三鷹市でタクシー運転者になるには、東京タクシーセンターの「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」に合格する必要があります。

この試験は、令和6年に地理の科目が廃止されました。ただ、試験そのものは残っていて、タクシー事業に係る法令、安全及び接遇の内容を筆記45問で受け、36問以上で合格です。合格証の有効期限は合格日から2年間です。

『地理試験がなくなったから試験はないんでしょ?』と思っていると、準備が遅れることも。

面接で「この営業所で働く場合、タクシーセンターの試験は要りますか」と聞いておくと安心です。

タクシーで乗務を始めるまでに通ること
  • 普通二種免許(または大型二種・中型二種)を持っている
  • 働く地域でタクシーセンターの試験があるか確かめた
  • 運転者登録を受けた
  • 会社の研修と指導を受けた
タクシーで乗務を始めるまでに必要な、普通二種免許・地域の試験・運転者登録・会社の研修の4つを示した図解

経験を積んだ先には個人タクシーという道も

タクシー会社で経験を積んだ後の道も、少しだけ見ておきましょう。

job tagでは、一定の年数を経験し、所定の条件を満たした人は、管轄する運輸局の免許を受けて個人タクシーを開業できると紹介されています。個人タクシーは約25,000人で、平均年齢は64.5歳です(2025年4月時点・job tagが全国個人タクシー協会の情報として掲載)。

『いずれは自分のペースで走りたい』という方は、まず会社で経験を積むところから始めることになります。

入社してから乗務までに確かめること

研修の中身と勤務の形を、入社前に聞いておく

タクシーは、研修を受けてから乗務するのが一般的です。勤務の形や給与の決まりも会社で違うので、面接の段階で聞いておくと入社後に戸惑いにくくなります。

『入社したら、いきなり一人で走るの?』と不安になりますよね。

job tagでは、初めてタクシーの仕事に就く場合は研修を受けてから乗務し、最初の数日はベテランが同乗して接客などを教える、と紹介されています。

タクシーの乗務を始める前に、白手袋をはめて車を点検している手元の写真

面接で聞いておきたいこと

入社してから『聞いていた話と違う』とならないように、面接では次のことを聞いておくと安心です。

タクシー会社の面接で確かめること
  • 勤務の形は日勤か隔日勤務か、選べるか
  • 給与は固定給と歩合のどちらが中心か
  • 入社後の研修は何日くらいで、誰が教えてくれるか
  • 二種がない場合、取得の支援はどこまでか
  • 働く地域でタクシーセンターの試験があるか

例えば「隔日勤務が中心で、日勤は相談に応じます」と答えが返ってきたら、自分の生活に合うかを家族と話しておくとよいですね。

勤務の形と働く時間の基準

タクシーの働く時間には、国の基準(改善基準告示・令和6年4月1日施行)があります。

勤務の形1か月の拘束時間休息期間
日勤288時間以内継続11時間を基本に、9時間を下回らない
隔日勤務262時間以内(労使協定で年6か月まで270時間)継続24時間を基本に、22時間を下回らない

job tagでは、大都市で19時間の隔日勤務(うち3時間は休憩で、翌日は休み)をとるケースもあると紹介されています。歩合の制度をとっている会社が多いことも書かれています。

給料は国の統計で目安を見る

job tagの数値(令和7年賃金構造基本統計調査の加工値・全国)では、タクシー運転手の年収は450.8万円、月の労働時間は169時間です。ただし、job tagの注記どおり、その職業だけの統計とは限りません。

同じjob tagでは、1時間当たりの賃金は一般労働者で1,957円、短時間労働者で1,462円です。ハローワークの求人賃金(月額・令和7年度)は20.9万円と紹介されています。

歩合の制度だと、走る時間帯や地域で収入が変わります。面接では、給与の決まりを具体的に聞いておくと安心です。

よくある失敗

求人の給与例だけを見て入社し、勤務の形や歩合の決まりを確かめていなかったケースです。日勤か隔日勤務か、給与がどう決まるかを、面接で具体的に聞いておきましょう。

ひとりで探すか、相談先を使うか

タクシー会社を自分で探すか、相談先を使うか、迷う方もいますよね。

会社の採用ページに直接応募するのも、ハローワークで探すのも、ドライバー向けの転職サービスに相談するのも、どれも正当な方法です。二種の取得支援がある会社を比べたい時は、相談先を使う方法も考えてみてください。

二種を持っていない人の取得支援の仕組みは二種免許を無料・会社負担で取る方法、相談先の比べ方は二種免許を活かす転職で紹介しています。

二種免許ドットコム

二種免許を活かした転職を考えている方へ

タクシーやバスの会社には、入社後に二種免許の取得費用を負担する制度を設けているところもあります。会社ごとに条件が違うので、ひとりで求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー向けの転職支援サービスで相談できることをまとめました。

無料ドライバー転職サービスの選び方を見る

受験資格・試験・手数料は法令や都道府県で変わることがあります。最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。

よくある相談

迷うのは「先に取るか」と「自分に取れるか」

タクシーと二種免許についての相談では、二種を取ってから入社するのか、二種は難しいのか、ライドシェアなら二種なしで運転できるのか、という迷いが多く見られます。

タクシーと二種免許について、よく寄せられる相談を内容をまとめた形で紹介します。

二種を取ってから入社する?入社してから取る?

『タクシー運転手は、二種を取ってから入社しているの?』という相談です。

どちらの人もいます。job tagには、第一種免許の保有者を採用して、二種取得のための養成訓練を行う会社もあると書かれています。

先に取ると会社を自由に選べます。入社後に取ると費用の負担を抑えやすい代わりに、在籍の条件がつくことがあります。どちらが合うかは、上の順番表を見て考えてみてください。

二種免許は自分にも取れる?

『勉強が苦手で、二種が取れるか不安』という相談もよくあります。

学科試験は95問で90パーセント以上、技能試験は80パーセント以上と、一種より基準は高めです。ただ、指定自動車教習所に通えば、時限ごとに順番に教わりながら進められます。

つまずきやすい所は二種免許は難しい?で紹介しています。

ライドシェアなら二種なしで運転できる?

『アプリで呼べるライドシェアなら、二種がなくてもできる?』という相談です。

日本版ライドシェアでは、第一種免許で選任前2年間無事故などの条件を満たし、タクシー会社の指導教育を受けた人も運転できます(東北運輸局資料・令和6年11月21日)。ただ、タクシーが足りない地域・時期・時間帯に限った制度で、タクシー運転手として働くのとは別の仕組みです。

よくある質問

タクシー運転手に二種免許は必要ですか?

必要です。普通自動車のタクシーでお客さんを運ぶには普通二種免許が要ります(道路交通法第86条)。大型二種や中型二種でも運転できます。

タクシー会社に入ってから二種免許を取ることはできますか?

できる会社があります。第一種免許の保有者を採用して、入社後に二種取得のための養成訓練を行う会社があります(job tag)。支援の条件は会社ごとに違います。

タクシーの二種免許は何歳から取れますか?

原則21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上必要です。受験資格特例教習を修了すると、19歳以上・通算1年以上で受けられます。

東京のタクシーの地理試験はなくなったのですか?

地理の科目は令和6年に廃止されましたが、法令・安全・接遇の試験は残っています。筆記45問で36問以上が合格です(東京タクシーセンター)。

二種免許を持っていれば、すぐにタクシーに乗れますか?

運転者登録や会社の研修を受けてから乗務するのが一般的です。東京などの一部の地域では、タクシーセンターの試験の合格も必要です。

まとめ

この記事の要点
  • タクシーでお客さんを運ぶには普通二種免許が必要
  • 二種に加えて、運転者登録と会社の指導教育を受けて乗務する
  • 東京などではタクシーセンターの試験もあり、地理の科目だけ廃止された
  • 二種を持っていない人は、入社後に会社の支援で取る道もある
  • 支援の条件と勤務の形は、入社前に面接で確かめておく
二種免許ドットコム

二種免許ドットコム 編集部

普通二種・中型二種・大型二種など第二種運転免許の種類と受験資格、教習所・合宿・試験場での取り方、費用の内訳、二種免許を活かせるタクシー・バスなどの仕事と転職の進め方を、これから二種免許を取る人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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