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タクシーやバスの仕事に興味はあるけれど、『二種免許を自分のお金で取る余裕はない』とためらっている方も多いはずです。
結論から言うと、二種免許を無料に近い形で取る現実的な道は、入社後に会社が取得費用を負担する「養成制度」です。ただ、条件は会社ごとに違うので、入社前の確認がとても大事なんです。
この記事を読むと、養成制度の一般的な仕組みと、求人票と面接で確かめておく条件が分かります。
二種免許を無料で取る方法は3つ
二種免許の費用を自分で払わずに済む、または減らせる方法は、会社の養成制度、教育訓練給付、会社が使う国の助成の3つです。このうち費用の大部分を会社が負担しうるのは、養成制度です。
『タダで二種免許が取れるなんて、本当にあるの?』と半信半疑になりますよね。
実は、厚生労働省の職業情報サイト job tag にも書かれていることなんです。第一種免許を持つ人を採用して、第二種免許を取るための養成訓練を行う会社もあるそうです。方法ごとの違いを並べてみました。
| 方法 | 誰が払うか | どこまで減るか | 主な条件 |
|---|---|---|---|
| 会社の養成制度 | 会社 | 負担の範囲は会社ごと | 入社すること・会社の決まり |
| 教育訓練給付 | 国(ハローワーク) | 教育訓練経費の一部 | 雇用保険の加入期間・指定講座 |
| 事業主向けの助成 | 国から会社へ | 会社の負担が軽くなる | 会社が使う制度 |

「無料」の意味は会社によって違う
養成制度で「全額会社負担」とある場合でも、どこまでを全額と呼ぶかは会社の決まりです。教習所の料金だけなのか、試験場の手数料まで含むのかで、自分で払う額が変わります。
『全額って書いてあるから大丈夫』と思いがちですが、ここは入社前に言葉の中身を確かめておきたいところです。くわしい確かめ方は、後半のチェックリストで紹介します。
二種免許を取る時にかかるお金の中身
「どこまで負担してもらえるか」を聞くには、まず何にお金がかかるかを知っておくと話が早いです。教習所で取る場合は、教習所の料金と、卒業後に試験場で払う手数料の2つが中心です。
試験場の手数料は、警視庁の場合4,150円(受験料1,800円、免許証交付料2,350円)です。教習所の料金は教習所ごとに違うので、会社が手配する教習所の扱いも含めて確かめておきましょう。
教育訓練給付は「一部が戻る」制度
教育訓練給付は、厚生労働大臣が指定した講座を修了した人に、受講費用の一部が支給される制度です。特定一般教育訓練なら、教育訓練経費の40%(上限20万円)が修了後に支給されます(厚生労働省の案内)。
全額が無料になるわけではありませんが、自分で取る場合の負担を減らせます。条件と申請の流れは、二種免許に使える給付金|教育訓練給付の対象と申請の流れにまとめています。
会社が使う国の助成もある
厚生労働省には、事業主が社員に職業訓練を受けさせた時に、経費や賃金の一部を助成する人材開発支援助成金があります。ただ、二種免許の取得費用が対象になるかは、公式の案内では確かめられませんでした。
会社がどんな仕組みで費用を出しているかは、外からは分かりにくいものです。気になる時は、面接で「取得費用の負担はどんな形ですか」と聞いてみてください。
会社の養成制度とは?取得までの一般的な流れ
養成制度は、二種免許を持っていない人を採用し、入社後に会社の負担で二種免許を取らせる仕組みです。タクシー会社でもバス会社でも、同じような制度を設けている会社があります。
『先に二種免許を取ってからでないと、応募できないのでは?』と思っている方もいますよね。
タクシーについては job tag に、第一種免許の保有者を採用して養成訓練を行う会社もあると書かれています。二種免許を持たずに応募するのも、正当な選び方なんです。
国土交通省の資料(令和6年5月の中間とりまとめ)でも、第二種免許の取得費用に係る支援が始まったことが紹介されています。受験資格の見直しとあわせて、タクシー運転者は令和5年3月末から令和6年4月末までの約1年間で約3,400人増えたとされています。
養成制度で取る一般的な流れ
会社によって細かい流れは違いますが、一般的には次のような順番になります。
- 養成制度のある会社の求人に応募する
- 面接や適性の確認を受けて採用される
- 入社後、会社が手配した教習所などで教習を受ける
- 卒業後、試験場で適性試験と学科試験を受ける
- 二種免許を取ったら、研修を受けて乗務を始める
タクシーの場合、東京などの一部の地域では、二種免許とは別の試験もあります。「輸送の安全及び利用者の利便の確保に関する試験」で、合格が必要です(東京タクシーセンターの案内)。地理の科目は廃止されましたが、法令・安全・接遇の試験は残っています。
タクシーとバスで違うところ
養成制度の考え方は似ていても、取る免許と入社後の流れはタクシーとバスで違います。job tag の記載をもとに並べてみました。
| 比べる点 | タクシー会社 | バス会社 |
|---|---|---|
| 取る二種免許 | 普通二種 | 大型二種 |
| 普通免許からの技能教習 | 12時限 | 33時限 |
| 入社後の流れ | 研修を受けてから乗務 | 1〜2カ月の就業前訓練 |
| 免許のほかの試験 | 東京などで法令・安全・接遇の試験 | 訓練修了時に営業所での実地試験 |
技能教習の時限は、道路交通法施行規則の別表第四の値です。大型二種のほうが時限が長いぶん、教習の期間も長くなりやすいんです。
受験資格は会社の制度でも同じ
養成制度を使っても、二種免許の受験資格は変わりません。原則21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上必要です(道路交通法第96条)。
受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・通算1年以上で受けられます(警察庁の案内)。特例を使う場合の教習を会社が手配するかどうかも、会社に確かめておきたい点です。
| 自分の状況 | 二種免許の受験 | 会社に聞くこと |
|---|---|---|
| 21歳以上・普通免許3年以上 | そのまま受けられる | 入社後いつ教習を始めるか |
| 19歳以上・普通免許1年以上 | 特例教習を修了すれば受けられる | 特例教習の費用も負担されるか |
| 普通免許を受けて1年未満 | まだ受けられない | 受けられるまでの仕事の内容 |
受験資格のくわしい条件は、二種免許の取得条件で確かめられます。
大型二種免許を無料で取りたい場合(バス会社の制度)
路線バスについて job tag は、大型二種の取得を積極的に支援する企業が増えていると紹介しています。採用時に免許を持っていなくても、入社後に取る条件で採用されることがあります。
『大型二種免許を無料で取れるなら、バスの運転士を目指したい』という方もいますよね。
日本バス協会は、普通免許などを取って3年以上の人を採用し、一定の条件のもとで大型二種を取得させる制度を設けているバス会社があると案内しています。高校新卒の人を採用し、取得できる年齢になるまで営業所の業務で経験を積んでもらう制度もあるそうです。
| 入り方 | 二種免許を取る時期 | 気にしておきたいこと |
|---|---|---|
| 普通免許3年以上で入社 | 入社後に大型二種を取る | 取得の条件と在籍の決まり |
| 高校を卒業して入社 | 取得できる年齢になってから | それまでの仕事の内容 |
| 大型二種を持って入社 | すでに持っている | 入社後の訓練の期間 |
job tag によると、路線バスの運転士は採用後1〜2カ月の就業前訓練を受け、営業所での実地試験に合格してから業務に就きます。免許を取った後にも訓練があることを、予定に入れておくと安心です。
大型二種は、普通免許から取ると技能教習が33時限と長めです(道路交通法施行規則の別表第四)。自分で払うと負担が大きい種類だからこそ、会社の制度を調べる価値があるんです。
取得支援のあるバス会社の探し方
job tag では、バス会社の採用の動きとして、求人エージェントの活用や、複数のバス事業者による合同面接会の開催が紹介されています。大型二種の取得を支援する会社を探すなら、次のような入り口があります。
- 働きたい地域のバス会社の採用ページを見る
- ハローワークの求人で「免許取得支援」の記載を探す
- 合同面接会の案内がないか、地域の情報を見る
- ドライバー向けの転職サービスに相談する
日本バス協会も、まずは運転士になりたい地域のバス会社を調べて、応募資格や採用条件を確かめるよう案内しています。路線バスか観光バスかで採用条件も変わるので、運転したいバスの種類も決めておくと探しやすくなります。
バスの仕事の種類と必要な免許は、バス運転手になるには大型二種でくわしく紹介しています。
入社前に確かめる条件のチェックリスト
養成制度の条件は、会社ごとにさまざまです。負担の範囲、在籍の決まり、辞めた時の扱いの3つは、入社前に求人票と面接で確かめておきましょう。
ここが、この記事でいちばん大事なところです。
養成制度は、会社が費用を出す代わりに、一定期間働くことを条件にしている場合があります。それ自体は珍しいことではありませんが、知らずに入社すると、辞める時に困ることもあるんです。
- 会社が負担する範囲(教習所の料金・試験場の手数料・追加教習)を確かめる
- 一定期間の在籍が条件になっているかを確かめる
- 期間より前に辞めた時に、費用を返す決まりがあるかを確かめる
- 返す決まりがあるなら、金額の決め方と期間を確かめる
- 教習中の給与と勤務の扱いを確かめる
- 試験に落ちた時の追加費用を誰が負担するかを確かめる
- 条件が書かれた書面を入社前にもらえるかを確かめる
求人票の言葉と、聞いておきたいこと
求人票には短い言葉で書かれていることが多いので、言葉ごとに聞くことを決めておくと面接で慌てません。
| 求人票の書き方の例 | 聞いておきたいこと |
|---|---|
| 二種免許取得費用 全額会社負担 | 全額に試験場の手数料や追加教習も入るか |
| 二種免許取得支援あり | 支援が一部負担か、立て替えか |
| 養成制度あり | 教習の期間と、その間の給与 |
| 未経験歓迎 | 入社後の研修の内容と期間 |
『お金のことを面接で聞いたら、印象が悪くなるかも』と心配になりますよね。ただ、取得費用の扱いは入社後の働き方に直結する話なので、確かめるのは自然なことです。
「全額負担」という言葉だけで入社を決めて、あとから在籍の条件を知るケースです。条件が書かれた書面は、サインする前に読み、分からない所はその場で聞いておきましょう。
面接での聞き方の例
いざ面接になると、お金の話は切り出しにくいものです。例えばこんな言い方なら、角を立てずに聞けます。
「二種免許の取得費用のご負担について、どこまで含まれるか教えていただけますか」
「教習所の料金と、試験場の手数料も含まれます。追加の教習が出た場合も会社で持ちます」
返事の中に在籍の条件が出てこなかった時は、もう一歩だけ聞いておきましょう。
「もし一定期間より前に退職した場合、費用の扱いはどうなりますか」
返ってきた答えは、その場でメモしておくと、あとで書面と見比べる時に役立ちます。

自分で取るか、会社の負担で取るか
働きたい会社が決まっていて、長く勤めるつもりなら、養成制度は負担を大きく減らせる道です。会社をまだ選びたい人や、すぐに乗務したい人は、自分で取る道も比べてみてください。
どちらが正しいということはありません。自分の状況に近い行を探してみてください。
- 取得費用を自分で用意しなくてよい
- 教習の手配を会社がしてくれることが多い
- 入社後の研修と続けて進められる
- 在籍の条件がついていることがある
- 辞める時に費用を返す決まりがある場合も
- 応募できるのは養成制度のある会社に限られる
| 自分の状況 | 向いている道 |
|---|---|
| 費用を用意するのが難しい | 会社の養成制度 |
| 働きたい会社がもう決まっている | 会社の養成制度 |
| いろいろな会社を比べてから決めたい | 自分で取ってから応募 |
| 雇用保険の加入期間が長い | 自分で取る(給付金の対象講座を選ぶ) |
| 早く乗務を始めたい | 状況次第(養成の日程と比べる) |

自分で取る場合の費用の内訳は、二種免許の費用|種類別の内訳と安く抑える方法で紹介しています。
自分で取る場合に負担を減らすには
自分で取ると決めた場合も、費用を減らす方法はあります。持っている免許で時限の少ない組み合わせを選ぶこと、給付金の対象講座を選ぶことの2つです。
厚生労働省の指定講座数の表(令和8年10月1日時点)では、特定一般教育訓練に大型二種69講座・普通二種49講座があります。通える範囲の教習所のコースが対象かは、講座検索システムで確かめてみてください。
ひとりで探すか、相談先を使うか
養成制度のある会社は、会社の採用ページに直接応募したり、ハローワークで探したりして見つけられます。ひとりで条件を比べるのが大変な方は、ドライバー向けの転職サービスに相談して、取得支援のある求人を紹介してもらう方法もあります。
相談先ごとにできることは、ドライバー転職サービスの選び方や二種免許を活かす転職で比べています。
二種免許ドットコム
二種免許を活かした転職を考えている方へ
タクシーやバスの会社には、入社後に二種免許の取得費用を負担する制度を設けているところもあります。会社ごとに条件が違うので、ひとりで求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー向けの転職支援サービスで相談できることをまとめました。
無料ドライバー転職サービスの選び方を見る受験資格・試験・手数料は法令や都道府県で変わることがあります。最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。
よくある相談
二種免許を無料・会社負担で取ることについて、よく寄せられる相談を3つ選んで答えます。
会社負担で取ったけど、3年以内に辞めたら費用を払う誓約書にサインした
タクシー会社で二種免許の費用を負担してもらい、一定期間内に辞めたら費用を払うという書面にサインしたという相談です。
こうした決まりの中身は会社ごとに違います。まずは手元の書面で、払う額の決め方と期間を確かめ、分からない所は会社の担当者に聞いてみてください。
『もっと早く知っていれば』とならないよう、これから入社する方は、サインする前に書面を読むのがいちばんの予防になります。
先に自分で取るか、養成で入社するか迷っている
タクシードライバーへの転職を考えていて、二種免許を自分で取ってから応募するか、養成制度で入社するか迷っているという相談です。
例えば、普通免許を取って4年目で、地元のタクシー会社で長く働きたいと考えている場合です。この場合は、養成制度で費用の負担を減らす道が合いやすいはずです。
働きたい会社が決まっているなら、養成制度で費用の負担を減らす道があります。会社を比べてから選びたいなら、自分で取ってから応募する道も考えられます。上の判定表で、自分に近い行を探してみてください。
運賃を取らずに無料で人を乗せるなら、二種免許は要らない?
自家用のバスで、運賃を受け取らずに人を乗せる場合でも大型二種が必要かという相談です。
道路交通法で第二種免許が要るのは、旅客自動車運送事業に使う車で、お客さんを運ぶ目的で運転する時です(第86条)。自家用の車でお金を受け取って人を運ぶのは、国土交通省が「白タク」として違法と案内している行為なので注意が必要です。
送迎の場面ごとの線引きは、二種免許が必要な運転・要らない運転でくわしく紹介しています。
よくある質問
二種免許を無料で取る方法はありますか?
入社後に会社が取得費用を負担する養成制度を使う方法があります。負担の範囲や在籍の決まりは会社ごとに違うので、求人票と面接で確かめてください。
大型二種免許を無料で取ることはできますか?
大型二種の取得を支援するバス会社があり、入社後に免許を取る条件で採用されることがあります(job tag・日本バス協会の案内)。取得の条件は会社ごとに違います。
会社負担で取った後に辞めると、費用を返す必要がありますか?
会社の決まりによります。一定期間内に辞めた場合の扱いを決めている会社もあるので、入社前に書面で確かめておきましょう。
教育訓練給付を使えば無料になりますか?
全額が無料になるわけではありません。特定一般教育訓練の場合、教育訓練経費の40%(上限20万円)が修了後に支給されます。対象講座かどうかと、雇用保険の加入期間の条件があります。
養成制度を使っても受験資格は必要ですか?
必要です。原則21歳以上で、普通免許などを受けていた期間が通算3年以上必要です。受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・通算1年以上で受けられます。
まとめ
- 二種免許を無料に近い形で取る現実的な道は、会社の養成制度
- 教育訓練給付は費用の一部が戻る制度で、全額無料ではない
- タクシーもバスも、入社後に二種免許を取る仕組みを設けている会社がある
- 負担の範囲・在籍の決まり・辞めた時の扱いを入社前に書面で確かめる
- 受験資格は養成制度でも同じで、原則21歳以上・通算3年以上





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