二種免許の技能試験|鋭角・縦列・方向変換と採点の考え方

二種免許の技能試験の課題と、合格基準80パーセントの考え方を紹介する記事のアイキャッチ

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二種免許の技能試験や卒業検定が近づいてきて、『一種の時と何が違うんだろう』と気になっている方も多いはずです。

結論から言うと、二種免許の技能試験は、合格基準が第一種の70パーセント以上より高い80パーセント以上で、「人の乗降のための停車及び発進」や「鋭角コースの走行」といった課題が加わります。

この記事を読むと、自分が受ける二種の課題と、お客さんを乗せている前提で運転する時に気をつける点が分かります。

目次

二種免許の技能試験とは?合格基準は80パーセント以上

先に結論

二種免許の技能試験は、運転の技能を実際に運転して見てもらう試験です。第二種の合格基準は80パーセント以上で、第一種の70パーセント以上より高く決められています(施行規則第24条)。

『10ポイント違うだけなら、そんなに変わらないでしょ?』と思う方もいますよね。

ただ、この差は思ったより大きいんです。一種なら見逃してもらえた小さなミスの積み重ねで、二種では合格ラインを下回ることがあります。

比べる点第一種(大型・普通など)第二種(大型・中型・普通など)
合格基準70パーセント以上80パーセント以上
二種で加わる主な課題なし人の乗降のための停車及び発進、鋭角コースの走行
試験を受ける場所試験場又は教習所の卒業検定試験場又は教習所の卒業検定
走る場所道路とコース道路とコース(一部の課題は道路以外で可)
二種免許の技能試験の課題を、大型二種・中型二種・普通二種の種類別に並べ、二種で加わる課題を示した図解

見られているのは「お客さんを任せられる運転か」

二種の技能試験は、上手に車を動かせるかだけを見る試験ではありません。お客さんを乗せて、安全に、安心して乗っていられる運転ができるかが問われます。

『運転歴は長いし、運転には自信がある』という方ほど、ふだんのクセに気づきにくいものです。一時停止の止まり方や、合図を出すタイミングなど、一種の頃からのクセを一度見直しておくと安心ですよ。

卒業検定も同じ基準で行われる

指定教習所の卒業検定は、その免許の技能試験の例に準じて行われます(施行規則第34条)。そのため、教習所で取る場合も、課題と80パーセント以上という基準は同じです。

卒業検定に合格して卒業すると、試験場の技能試験は免除されます(道路交通法第97条の2)。

「路端停車」という課題名は第二種には無い

二種の技能試験の話で「路端停車」という言葉を見かけることがあります。ただ、法令の第二種の課題名は「人の乗降のための停車及び発進」です。

「路端における停車及び発進」は、大型・中型の仮免許の試験の項目です。この記事では、法令の言葉で課題を紹介していきます。

二種免許の種類や取り方の全体像は、二種免許とは?で紹介しています。

二種で加わる課題の一覧

自分が受ける種類の課題を先に知る

技能試験の課題は、二種の種類ごとに施行規則第24条で決められています。大型・中型・普通二種には、お客さんの乗り降りを想定した停車と発進、狭い場所の鋭角コースが入っています。

ここが、この記事でいちばん大事なところです。

『自分の試験では、何をやるの?』という方は、受ける種類の欄を見てみてください。

種類主な課題(施行規則第24条の言葉)
大型二種道路における走行、交差点の通行、横断歩道の通過、人の乗降のための停車及び発進、方向変換又は縦列駐車、鋭角コースの走行
中型二種普通二種とほぼ同じ(転回は無し)
普通二種(AT自動車での項目)道路における走行、交差点の通行、横断歩道の通過、人の乗降のための停車及び発進、転回、方向変換又は縦列駐車、鋭角コースの走行
普通二種(AT以外の自動車での項目)幹線・周回コース、交差点、横断歩道及び踏切、曲線・屈折・坂道コース、方向変換、鋭角コース
大型特殊二種幹線・周回コース、交差点、横断歩道及び踏切、方向変換
けん引二種幹線・周回コース、交差点、横断歩道及び踏切、曲線コース、方向変換

大型二種免許の技能試験

大型二種免許の技能試験は、6つの課題で構成されています。バスのような大きな車で、お客さんの乗り降りを想定した停車と発進、そして狭い鋭角コースを走るのが特徴です。

大型二種の合格基準は80パーセント以上です。車体が長いぶん、鋭角コースや方向変換では後輪の通り道を読む力が試されます。

中型二種免許の技能試験

中型二種は、乗車定員11人以上29人以下のマイクロバスなどで旅客を運ぶための免許です(施行規則第2条の区分から)。技能試験の課題は普通二種とほぼ同じで、転回が無い形です。

普通車より車体が長く、鋭角コースや方向変換では車の後ろの動きを読む力が要ります。送迎バスの仕事などを考えている方が受けることの多い種類です。

普通二種・中型二種はATとAT以外の項目がある

普通二種と中型二種は、AT自動車で行う項目と、AT以外の自動車で行う項目に分かれています。合格基準は、AT車の項目とAT以外の項目のそれぞれで80パーセント以上です(施行規則第24条)。

AT限定の免許を受ける場合は、AT車の項目で80パーセント以上が合格です。タクシーの仕事を考えている方で、会社の車がAT車だけなら、AT限定で足りるかを先に確かめておくと迷いが減ります。

道路で行う課題と、コースで行う課題

大型・中型・普通二種の技能試験は、道路で行うのが原則です(道路交通法第97条)。ただし、方向変換や縦列駐車、鋭角コースの走行などは、道路で行わなくてよい項目とされています(施行規則第23条の2)。

大型特殊二種・けん引二種は試験場が基本

大型特殊二種とけん引二種は、指定教習所の教習時限が法令に定められていません。試験場で受けるのが基本なので、課題の練習の場所も早めに考えておきましょう。

乗客を乗せている前提の運転:停車・発進の滑らかさ

「お客さんが乗っている」つもりで運転する

二種の技能試験で一種といちばん違うのは、お客さんを乗せて運ぶ立場の運転が見られることです。特に「人の乗降のための停車及び発進」では、止まる位置と、止まる時・動き出す時の滑らかさを意識します。

『停まって、また走り出すだけでしょ?』と思うかもしれません。

実は、お客さんを乗せている時の停車と発進は、一人で運転している時とは気をつける所が違うんです。後ろの座席の人は、前を見ていないことも多いからです。

止まる時に気をつけること

お客さんが乗り降りするための停車は、ただ止まればいいわけではありません。乗り降りする人の安全と、後ろや横から来る車や自転車の動きまで見ておく必要があります。

停車の時に意識したいこと
  • 止まる前に、後ろと左側の安全を確かめる
  • ブレーキは早めにかけ始め、止まる直前に力をゆるめる
  • 乗り降りしやすい位置に、まっすぐ寄せて止まる
  • 止まった後、乗り降りする人の通り道を確かめる

例えば教習中に、指導員からこんな声をかけられることがあります。

「今の止まり方だと、後ろのお客さんの体が前に揺れますよ」
「止まる直前に、もう少しブレーキをゆるめてみてください」

動き出す時に気をつけること

発進の時は、乗った人が座ったか、ドアが閉まったかを確かめてから動き出すのが基本です。急に動き出すと、立っている人や座ろうとしている人がよろけてしまいます。

揺れを減らすペダルの使い方

停車の揺れを減らすコツは、止まる直前にブレーキの力を少しゆるめることです。ぐっと踏んだまま止まると、最後に車がカクンと前に揺れます。

発進も同じで、アクセルを一気に踏み込まず、じわっと踏み始めるのが基本です。教習中に、お客さんの席に座った指導員から「今のは揺れが少なかったですね」と言われる止まり方を、体で覚えていきましょう。

お客さんが安心できる停車と発進
  • 早めにブレーキをかけ始め、ゆっくり止まる
  • 発進前に安全を確かめてから、静かに動き出す
  • 寄せる位置がまっすぐで、乗り降りしやすい
一人で運転する時のクセが出た停車と発進
  • 止まる直前に強くブレーキを踏んでしまう
  • 安全確認より先にアクセルを踏んでしまう
  • 寄せる位置が斜めで、乗り降りしにくい
お客さんを乗せている前提で、停車の前の確認・ゆるやかなブレーキ・まっすぐ寄せる・発進前の確認・静かな発進の順に気をつける点を示した図解

この意識は、技能試験だけでなく、二種を取った後の仕事でもそのまま役に立ちます。試験のための練習というより、お客さんを乗せる練習だと考えると、身につきやすくなりますよ。

鋭角・縦列・方向変換のつまずき所

狭い場所の課題は「目印」と「確認」で安定する

鋭角コースの走行、方向変換、縦列駐車は、狭い場所で車の位置を合わせる課題です。毎回同じ目印でハンドルを切ることと、確認の動作を省かないことが、安定して通るコツです。

『鋭角コースだけ、どうしてもうまくいかない』という悩みはとても多いです。

課題ごとに、つまずきやすい所と意識したい所を表にしました。

課題つまずきやすい所意識したい所
鋭角コースの走行後輪の通り道が読めず、縁に寄りすぎるハンドルを切り始める目印を毎回同じにする
方向変換後ろに下がる時の車の向きがずれるミラーで見る場所を決めておく
縦列駐車前後の間隔と、縁からの距離が合わない下がり始める位置を一定にする
転回(普通二種のAT項目)回る前後の安全確認が抜ける周りの車と歩行者の動きを先に見る

鋭角コースは「切り返し」も想定しておく

鋭角コースは、とがった角のような狭い曲がり角を通る課題です。大型二種では車体が長いので、普通車の感覚で曲がると後輪が内側に寄りがちです。

一度で曲がり切れない時に、落ち着いて切り返せるかどうかも大事なところです。焦って縁に乗り上げるより、止まって確認してから動くほうが、お客さんを乗せる運転として自然です。

大型二種免許の技能試験を受ける方は、教習の最初のうちに、運転席から見た車の四隅の位置を確かめておくと鋭角コースが楽になります。車の大きさの感覚がつかめると、目印も決めやすくなるからです。

確認の動作を「見える形」で

安全確認は、自分では見たつもりでも、試験官から見て分からないことがあります。首と目を動かして、確かめていることが伝わる形で確認するのがおすすめです。

よくある失敗

課題の操作に気を取られて、発進前や後退前の確認が抜けてしまうケースです。狭い場所の課題ほど、操作より先に確認をするという順番を体で覚えておきましょう。

試験前日にやっておきたいこと

前日は、新しいことを覚えるより、課題の順番と確認の動作を頭の中でなぞるのがおすすめです。コースの図があれば、指でなぞりながら「ここで合図、ここで確認」と声に出してみると、本番で手順が飛びにくくなります。

当日は、緊張で確認が早足になりがちです。1つの確認に一呼吸おくくらいの気持ちで臨むと、落ち着いて運転できますよ。

減点の細かい項目と点数は、この記事で確かめた法令には書かれていません。教習所の指導員や、試験場の案内で確かめておくと安心です。

試験場で受ける場合と卒業検定の違い

課題と基準は同じ、準備の中身が違う

試験場の技能試験と教習所の卒業検定は、課題と80パーセント以上という基準は同じです。違うのは、練習の場と、受け直す時の手間です。

『教習所の卒検と、試験場の一発試験、どっちが受かりやすいの?』と気になりますよね。

課題と基準は同じなので、違いは準備のしやすさにあります。表で比べてみてください。

比べる点試験場の技能試験教習所の卒業検定
課題と合格基準施行規則第24条、80パーセント以上技能試験の例に準じる、80パーセント以上
練習の場自分で用意する教習所のコースと教習車
落ちた時その都度受験料と試験車使用料(警視庁の案内)1時限以上の技能教習を受けてから次の検定
予約東京都は予約制。適性試験の当日は受けられない教習所の検定日に受ける

試験場で受ける時の手数料(東京都の場合)

警視庁の案内では、大型・中型・普通二種を試験場で直接受ける時の手数料は9,800円(受験料4,500円、試験車使用料2,950円、免許証交付料2,350円)です。再試験の場合は、その都度受験料と試験車使用料がかかります。

大型特殊二種・けん引二種は6,900円(受験料2,800円、試験車使用料1,750円、免許証交付料2,350円)です。他の都道府県では額が違うことがあるので、住んでいる都道府県の警察の案内で確かめてみてください。

試験で使う車を運転できる第一種免許を持っていない人が試験場で受ける場合は、仮免許を受けて、過去3か月以内に5日以上道路で練習することが要ります(道路交通法第96条の2)。

試験場で受ける流れと取得時講習は、二種免許の一発試験で紹介しています。教習所に通う場合の時限は、二種免許の教習時間と最短日数にまとめています。

技能試験までの準備の手順
  1. 受ける二種の種類の課題を、この記事の表で確かめる
  2. 停車と発進は、お客さんを乗せている前提で練習する
  3. 鋭角・方向変換・縦列駐車は、目印を決めて同じ動きを繰り返す
  4. 確認の動作を、試験官に伝わる形で行う練習をする
  5. 試験場で受けるなら、予約の方法と受験日を案内で確かめる

会社の制度で練習の場を得る道もある

タクシー会社やバス会社の中には、入社してから二種免許を取る養成制度を設けているところがあります(job tag・日本バス協会の案内)。会社の制度で取る場合は、教習所で練習して卒業検定を受ける形になることが多いです。

ひとりで練習の場を探すか、会社の制度や相談先を使うかで迷う方もいますよね。取得支援がある求人を比べたい方は、二種免許を無料・会社負担で取る方法もあわせて見てみてください。

二種免許ドットコム

二種免許を活かした転職を考えている方へ

タクシーやバスの会社には、入社後に二種免許の取得費用を負担する制度を設けているところもあります。会社ごとに条件が違うので、ひとりで求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー向けの転職支援サービスで相談できることをまとめました。

無料ドライバー転職サービスの選び方を見る

受験資格・試験・手数料は法令や都道府県で変わることがあります。最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。

よくある相談

相談の多くは「試験の進み方」と「確認のやり方」

二種免許の技能試験の相談では、路上に出るかどうか、安全確認のやり方、何度も落ちる時の考え方がよく見られます。内容をまとめた形で紹介します。

似た悩みを持つ方が多い相談を3つ選びました。

普通二種の技能試験は、免許センターでも路上に出る?

『試験場で普通二種を受けると、コースだけで終わるの?』という相談です。

大型・中型・普通二種の技能試験は、道路で行うのが原則です(道路交通法第97条)。一方で、方向変換や縦列駐車、鋭角コースの走行などは、道路で行わなくてよい項目です(施行規則第23条の2)。

実際の試験の進め方は試験場によって違うことがあるので、受ける試験場の案内で確かめておきましょう。

左後方の確認は、具体的にどこを見ればいい?

『大型二種の技能試験で、左後方の確認と言われてもどこを見るのか分からない』という相談もよく見かけます。

左側は運転席から見えにくく、自転車や歩行者が入りやすい場所です。ミラーで見える範囲と、首を動かして直接見る範囲を、教習所の指導員と一緒に確かめておくのがいちばん確実です。

試験場で何度も落ちてしまう

『試験場で何回も受けているけど、なかなか受からない』という悩みもあります。

試験場で落ちるたびに、受験料と試験車使用料がかかります(警視庁の案内)。回数が重なっている時は、どの課題で減点されたかを試験官に聞いてみてください。

それでも同じ所でつまずく場合は、教習所で練習する、または教習所に入って卒業検定を受ける道も比べてみましょう。二種がどれくらい難しいかは二種免許は難しい?で紹介しています。

よくある質問

二種免許の技能試験の合格基準は?

80パーセント以上です。第一種の大型・普通などの70パーセント以上より高く決められています(施行規則第24条)。

大型二種免許の技能試験の課題は何ですか?

道路における走行、交差点の通行、横断歩道の通過、人の乗降のための停車及び発進、方向変換又は縦列駐車、鋭角コースの走行の6つです(施行規則第24条)。

二種の技能試験に「路端停車」はありますか?

法令の第二種の課題名は「人の乗降のための停車及び発進」です。「路端における停車及び発進」は大型・中型の仮免許の試験の項目です。

教習所の卒業検定と試験場の技能試験は同じですか?

卒業検定は技能試験の例に準じて行われ、課題と80パーセント以上という基準は同じです。卒業検定に合格して卒業すると、試験場の技能試験は免除されます。

技能試験は予約が要りますか?

警視庁の場合は予約制で、適性試験に合格してから予約します。都道府県によって違うので、受ける試験場の案内で確かめてください。

まとめ

この記事の要点
  • 二種免許の技能試験の合格基準は80パーセント以上で、第一種の70パーセント以上より高い
  • 大型・中型・普通二種には、人の乗降のための停車及び発進と鋭角コースの走行がある
  • 普通二種・中型二種はAT車の項目とAT以外の項目のそれぞれで80パーセント以上
  • 停車と発進は、お客さんを乗せている前提で滑らかさを意識する
  • 鋭角・方向変換・縦列駐車は、目印と確認の順番で安定させる
二種免許ドットコム

二種免許ドットコム 編集部

普通二種・中型二種・大型二種など第二種運転免許の種類と受験資格、教習所・合宿・試験場での取り方、費用の内訳、二種免許を活かせるタクシー・バスなどの仕事と転職の進め方を、これから二種免許を取る人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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