大型二種免許の取り方|教習の流れと卒業検定・学科試験

大型二種免許の取り方を、入校から卒業検定・学科試験・免許証の交付までの流れで紹介する記事のアイキャッチ

当サイトの記事は編集部が警察庁・都道府県警察・国土交通省・厚生労働省などの公開情報を調べて独自に執筆しています。受験資格・試験・手数料・教習の内容は法令の改正や都道府県によって変わることがあるため、最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。

路線バスや観光バスの運転士を目指していて、『大型二種免許を取るには、どんな順番で進めればいいの?』と調べている方も多いはずです。

結論から言うと、大型二種免許の取り方の基本は、指定教習所で教習と卒業検定を終え、試験場で学科試験を受ける流れです。持っている免許によって、教習の時限や受けなくてよい試験が変わります。

この記事を読むと、入校から免許証の交付までの順番と、自分の免許で変わる部分が分かります。

目次

大型二種免許の取り方は?教習所・一発試験・会社の制度

先に結論

大型二種免許(正式には大型自動車第二種免許)は、指定教習所を卒業して試験場で学科試験を受けるのが基本です。試験場で技能試験から受ける一発試験と、バス会社に入ってから取る道もあります。

『教習所と一発試験、どちらがいいんだろう』と迷いますよね。

教習所の窓口では、こんなやりとりになることもあります。

「大型免許は持っていないんですが、一発試験でも受けられますか」
「受けられますが、仮免許でバス型の車を運転する練習が必要になります」

大型二種は、乗車定員30人以上などの大型自動車でお客さんを運ぶための免許です(道路交通法第86条、施行規則第2条)。練習に使う車が大きいので、どの道を選ぶかで準備の手間がかなり変わるんです。

取り方技能の試験準備の手間向いている人
指定教習所を卒業教習所の卒業検定(試験場の技能試験は免除)教習所が教習車とコースを用意初めて大型の旅客車を運転する人
試験場で一発試験試験場の技能試験大型免許が無ければ仮免許とバス型の車での練習が必要大型免許を持ち、大型車に乗り慣れた人
バス会社の制度で取る会社が案内する流れで受ける会社の予定に合わせて進めるバスの運転士になると決めている人

大型二種免許そのものの説明は、大型二種免許とは?で紹介しています。

大型二種免許を取るには、受験資格を満たしていること

受験資格は、原則21歳以上で、大型・中型・準中型・普通・大型特殊免許のどれかを受けていた期間が通算3年以上あることです(道路交通法第96条第5項)。停止期間は除かれます。

受験資格特例教習を修了すれば、19歳以上・期間1年以上でも受けられます(令和4年5月13日から・警察庁の案内)。

特例教習は、年齢の特例が7時限以上、経験年数の特例が29時限以上です。年齢の特例で取った場合は、21歳になるまでが「若年運転者期間」になります。

この期間に違反点数の合計が3点以上になると、若年運転者講習(9時間)を受ける必要があり、受けないと免許が取り消されます。若い方は、この決まりも知ったうえで選んでみてください。

大型二種の受験前セルフチェック
  • 21歳以上か(特例教習を修了すれば19歳以上)
  • 普通免許などの期間が通算3年以上か(停止期間を除く。特例で1年以上)
  • 視力が両眼0.8以上、かつ片眼それぞれ0.5以上か(眼鏡・コンタクトを含む)
  • 深視力の検査で、2.5メートルの距離で3回測った平均誤差が2センチメートル以下か
  • 10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえるか

『普通免許しか持っていないけど、大型免許から取らないとだめ?』という方もいますよね。

実は、受験資格を満たしていれば、普通免許から直接、大型二種の教習を受けられます。大型免許を先に取る必要はありません。

条件のくわしい話は二種免許の取得条件で紹介しています。

入校から免許証の交付までの順番表

7つの段階で進む

教習所で大型二種免許を取得する流れは、入校から交付までおおよそ7つの段階に分けられます。段階ごとに、持っている免許で変わる部分があります。

『全体でどれくらいの段階があるのか、先に知っておきたい』と思いますよね。順番を表にすると、こうなります。

順番やること持っている免許で変わる部分
1 入校受験資格と適性を確かめて入校する特例教習を使うかどうか
2 学科教習法令や旅客を運ぶ知識、応急救護処置を学ぶ普通二種・中型二種を持っていれば0時限
3 技能教習基本操作から応用走行まで練習する大型免許なら17時限、普通免許なら33時限など
4 卒業検定修了から3か月以内に受ける(80パーセント以上で合格)どの免許でも合格基準は同じ
5 卒業卒業証明書を受け取る技能試験の免除は技能検定から1年以内
6 試験場適性試験と学科試験を受けるほかの二種を持っていれば学科試験は免除
7 交付合格すると免許証が交付される免許証の種類欄に「大二」が加わる

教習は、第二種の場合9か月以内に修了する決まりです(施行規則第33条)。

大型二種免許を教習所で取る時の、入校から学科教習・技能教習・卒業検定・卒業・試験場・交付までの順番と、持っている免許で変わる部分を示した図解

技能教習は2つの段階に分かれる

技能教習は「基本操作及び基本走行」と「応用走行」の2つに分かれています(施行規則 別表第四)。

例えば、普通免許から大型二種を取る場合は、基本操作及び基本走行が15時限、応用走行が18時限で、合わせて33時限です。大型免許からなら、8時限と9時限で17時限になります。

『33時限って、どのくらいで終わるの?』と気になりますよね。1時限は50分ですが、1日に何時限受けられるかや予約の取りやすさは教習所で違うので、入校前に聞いておきましょう。

学科教習では応急救護処置が6時限

学科教習は、普通免許などを持っている人で17時限です。第二種の学科では、応急救護処置の教習を6時限受けます。第一種では3時限なので、ここも二種ならではの部分なんです。

持っている免許ごとに変わる部分

いちばん大きく変わるのは技能教習

大型二種の技能教習の時限は、持っている免許によって13時限から51時限まで差があります。学科教習も、ほかの二種を持っているかで変わります。

『自分の場合は何時限になるの?』というのが、いちばん知りたいところですよね。施行規則の別表第四による時限は次のとおりです(1時限50分・上達に応じて延長あり)。

持っている免許技能教習(基本+応用)学科教習
大型免許17時限(8+9)17時限
マイクロバス限定の大型免許23時限(10+13)17時限
中型免許23時限(10+13)17時限
AT限定中型免許27時限(14+13)17時限
中型(8t)限定の中型免許28時限(12+16)17時限
準中型免許29時限(13+16)17時限
普通免許33時限(15+18)17時限
AT限定普通免許37時限(19+18)17時限
大型特殊免許51時限(23+28)20時限
中型二種免許13時限(5+8)0時限
普通二種免許28時限(15+13)0時限
AT限定普通二種免許32時限(19+13)0時限
免許を組み合わせて持っている時

大型・中型・準中型免許と、中型二種か普通二種を併せて持っている人は、応用走行の時限が減るなどの特則があります(別表第四の備考)。自分の組み合わせで何時限になるかは、教習所で確かめてみてください。

場面で見ると、こう変わる

同じ大型二種でも、今の仕事や免許で道のりはずいぶん違います。

場面技能教習学科教習試験場の学科試験
大型一種でトラックに乗っていて、路線バスに移りたい17時限17時限受ける
普通二種でタクシーに乗っていて、バスに移りたい28時限0時限免除
中型二種でマイクロバスの送迎をしていて、大型の観光バスに移りたい13時限0時限免除
普通免許(AT限定)で事務の仕事をしていて、バスの運転士を目指す37時限17時限受ける

ほかの二種免許を持っている人は、試験場の学科試験が免除されます(大阪府警察・宮城県警察・警視庁の案内)。

教習所に問い合わせる時は、自分の免許の組み合わせを最初に伝えるのがコツです。例えば、こんな聞き方です。

「普通二種を持っていて、大型二種を取りたいです。技能教習は何時限の計算になりますか。学科教習は0時限で合っていますか」

自分の行で計算してもらえば、料金や期間の見積もりも取り違えにくくなりますよ。

AT限定から取る時の注意

AT限定普通免許から大型二種を取る場合は、技能教習が37時限で、普通免許(MT)からより4時限多くなります。MTの大型車に慣れるまで時間がかかることもあるので、余裕のある予定を組んでおきましょう。

ほかの二種免許の時限も含めた一覧は、二種免許の教習時間と最短日数で紹介しています。

大型二種免許試験:卒業検定・学科試験・技能試験

技能は80パーセント、学科は90パーセント

大型二種の卒業検定と技能試験は80パーセント以上、学科試験は90パーセント以上で合格です。第一種の技能試験の70パーセント以上より高く決められています。

『卒業検定が近づいてきて不安…』という方も多いはずです。どんな課題があるかを先に知っておくと、落ち着いて臨めますよ。

卒業検定と技能試験の課題

大型二種の技能試験の課題は、施行規則第24条で決められています。卒業検定も、技能試験の例に準じて行われます(施行規則第34条)。

大型二種の技能の課題
  • 道路における走行
  • 交差点の通行
  • 横断歩道の通過
  • 人の乗降のための停車及び発進
  • 方向変換又は縦列駐車
  • 鋭角コースの走行

技能試験は道路で行うことが決められていて(道路交通法第97条第2項)、方向変換や縦列駐車、鋭角コースなどは道路で行わなくてもよい課題です。

卒業検定に不合格だった人は、1時限以上の技能教習を受けてから次の検定に進みます。

学科試験は卒業後に試験場で受ける

指定教習所を卒業しても、学科試験は試験場で受けます(警視庁の案内)。

大阪府警察の案内では、学科試験は95問の択一式又は正誤式で、90パーセント以上が合格です。宮城県警察の案内では、文章問題90問(1問1点)とイラスト問題5問(1問2点)です。

イラスト問題は1つのイラストにつき3問出て、全部正解の時だけ点が入ります。

学科の勉強のしかたは二種免許の学科試験、技能の課題は二種免許の技能試験でくわしく紹介しています。

大型二種免許の技能試験と卒業検定の6つの課題と、合格基準80パーセント・学科試験90パーセントをまとめた図解

一発試験で大型二種免許を取る場合

教習所を使わず、試験場で直接受けることもできます。ただ、大型免許を持っていない人には、準備の負担が大きい道です。

一発試験の大型二種の流れ(警視庁・大阪府警察の案内から)
  1. 大型免許が無い人は仮免許を受け、バス型の車で練習する
  2. 学科試験を予約して、適性試験と学科試験を受ける
  3. 合格後に技能試験を予約して受ける
  4. 合格したら旅客車講習(6時間)と応急救護処置講習(6時間)を受ける
  5. 免許証が交付される

大阪府警察の案内では、大型二種の直接受験では、過去3か月以内に5日以上、仮免許で乗車定員30人以上のバス型の車を運転して練習しておく必要があります。

警視庁(東京都)の場合、直接受験の手数料は9,800円です(受験料4,500円、試験車使用料2,950円、免許証交付料2,350円)。合格後の取得時講習は30,300円です(いずれも令和7年3月24日以降の額)。

島根県警察では、この講習を「大型旅客車講習」と呼んでいて、県によって名前が違うことがあります。

一発試験のくわしい流れは二種免許の一発試験で紹介しています。

費用の考え方と、バス会社の制度で取る道

教習所の料金は自分の免許の行で見る

教習所の料金は教習所や時期で違うので、この記事では金額の目安は出しません。持っている免許で時限が変わるので、料金表は自分の免許の行で見比べてみてください。

『自分で全部払うと、かなりかかりそう』と不安になりますよね。

試験場に払う手数料は、警視庁(東京都)の場合、指定教習所を卒業した人で4,150円(受験料1,800円、免許証交付料2,350円)です。手数料は都道府県で違うことがあるので、住んでいる地域の警察の案内で確かめてみてください。

給付金を使える講座もある

厚生労働省の表では、大型自動車第二種免許の特定一般教育訓練の指定講座が69講座あります(令和8年10月1日時点)。

給付金の項目中身(厚生労働省の案内)
支給額受講費用の40パーセント(上限20万円)を修了後に支給
上乗せ資格を取って修了後1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合などは50パーセント(上限25万円)まで
主な条件雇用保険の加入期間3年以上(初めての人は1年以上)
事前の手続き受講開始日の2週間前までに、ハローワークで受給資格の確認

どの教習所の講座が対象かは、厚生労働省の講座検索システムで確かめられます。

バス会社の制度で取る

日本バス協会は、普通免許等を取って3年以上の人を採用し、一定の条件のもとで大型二種を取得させる会社があると案内しています。厚生労働省のjob tagでも、大型二種の取得を積極的に支援する企業が増えていて、入社後に取る条件で採用されると紹介されています。

job tagによると、路線バスでは採用後1〜2か月の就業前訓練を受け、修了時の営業所での実地試験に合格してから業務に就きます。

つまり、大型二種免許を取ったらすぐにバスを運転する、というわけではないんです。免許を取ることと、運転士として乗務を始めることは、別の段階だと考えておきましょう。

バスの運転士には、厚生労働省の改善基準告示で拘束時間の上限も決められています。1日の拘束時間は13時間以内(延長は最大15時間)、連続運転は4時間以内が基本です(令和6年4月1日施行)。

会社の負担の範囲や在籍の決まりは、会社ごとに違います。求人票と面接で確かめる項目です。

費用の内訳は大型二種免許の費用、会社負担の仕組みは二種免許を無料・会社負担で取る方法で紹介しています。

ひとりで探すか、相談先を使うか

バス会社の採用ページに直接応募する方法も、ハローワークで探す方法もあります。

取得支援のある会社を何社か比べたい、面接の調整も手伝ってほしいという方は、ドライバー向けの転職サービスに相談する手もあります。違いはドライバー転職サービスの選び方で比べています。

二種免許ドットコム

二種免許を活かした転職を考えている方へ

タクシーやバスの会社には、入社後に二種免許の取得費用を負担する制度を設けているところもあります。会社ごとに条件が違うので、ひとりで求人票を見比べるのが大変な時は、ドライバー向けの転職支援サービスで相談できることをまとめました。

無料ドライバー転職サービスの選び方を見る

受験資格・試験・手数料は法令や都道府県で変わることがあります。最新の情報は警察の運転免許の案内と各教習所・各社の公式サイトで確認してください。

よくある相談

多いのは「範囲」と「AT限定」と「卒業後」

大型二種免許の取得についての相談では、普通二種の範囲も運転できるか、AT限定から取れるか、卒業後に何が残っているか、という内容がよく見られます。

大型二種免許の取り方についてよくある相談を、内容をまとめて紹介します。

大型二種は、通学と合宿のどちらで取るのがいい?

『難しそうだから、合宿で一気に取ったほうがいい?』という相談です。

合宿でも通学でも、指定教習所での教習なので、時限の決まりや卒業検定の合格基準は同じです。違うのは通い方なので、仕事を続けながら取りたいなら通学、まとまった休みが取れるなら合宿、と考えると選びやすくなります。

合宿の調べ方は大型二種免許の合宿で紹介しています。

大型二種を取ると、普通二種の範囲も運転できる?

運転できます。大型二種免許を受けた人は、旅客自動車である中型・準中型・普通自動車もお客さんを乗せて運転できます(道路交通法第86条第2項)。

タクシーの仕事のために、普通二種を別に取る必要はありません。

AT限定の普通免許しか無いけど、教習所で大型二種は取れる?

受験資格を満たしていれば取れます。AT限定普通免許からの技能教習は37時限が基準です。

扱っている教習所かどうかは、入校前に確かめてみてください。教習所の探し方は大型二種の教習所・自動車学校の探し方で紹介しています。

卒業検定が近づいてきた。卒業した後に何が残っている?

卒業後は、試験場で適性試験と学科試験を受けます。卒業証明書で技能試験が免除されるのは、技能検定から1年以内です。

学科試験は90パーセント以上で合格なので、卒業検定の準備と並行して学科の勉強も進めておくと安心です。ほかの二種免許を持っている人は、学科試験も免除されます。

よくある質問

大型二種免許の取得方法には何がありますか?

指定教習所を卒業して試験場で学科試験を受ける方法、試験場で一発試験を受ける方法、バス会社の制度で入社後に取る方法があります。

大型二種免許を取るには大型免許が必要ですか?

必要ありません。受験資格を満たしていれば、普通免許から直接教習を受けられます。普通免許からの技能教習は33時限です。

大型二種免許の取得にはどのくらいの教習時限が必要ですか?

持っている免許で変わり、大型免許なら技能17時限、普通免許なら技能33時限が基準です。学科教習は普通免許などから17時限です。

大型二種免許試験の合格基準は?

技能試験と卒業検定は80パーセント以上、学科試験は90パーセント以上で合格です。

大型二種免許は試験場で一発で取れますか?

受けることはできます。ただ、大型免許が無い人は仮免許を受け、過去3か月以内に5日以上バス型の車で練習しておく必要があります(大阪府警察の案内)。

まとめ

この記事の要点
  • 大型二種免許の取り方の基本は、教習所を卒業して試験場で学科試験を受ける流れ
  • 受験資格は原則21歳以上・免許を受けていた期間が通算3年以上で、大型免許は無くてよい
  • 技能教習は持っている免許で13時限から51時限まで変わる
  • 卒業検定と技能試験は80パーセント以上、学科試験は90パーセント以上で合格
  • バス会社の制度や給付金で、自分の負担を抑える道もある
二種免許ドットコム

二種免許ドットコム 編集部

普通二種・中型二種・大型二種など第二種運転免許の種類と受験資格、教習所・合宿・試験場での取り方、費用の内訳、二種免許を活かせるタクシー・バスなどの仕事と転職の進め方を、これから二種免許を取る人の目線で整理している情報サイトです。 公式サイト

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